運送業界、宅配業界の課題について

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運転は気をつけて

 

今回は、僕が佐川急便でセールスドライバーをしていたときのことを書きます。

約14年前に佐川急便に入社しました。約10年間勤めました。

現在は、とある中小企業で営業職をしています。

 

これから運送業界 で働きたい方、また、現在働いている人へ、この業界の課題を実体験を交えながら解説します。

 

目次

 

 

僕が佐川急便を選んだ理由

これは単純に「稼げる」と思ったからです。

とても浅はかな考えでした。

 

「数年で家が建つ」という伝説が残っていますが、それは30年前の話です。

その時代は休みもほとんど無く、その休みも無くなる場合があったそうです。

 

休みが無いわけですから、

使う暇もない=貯まる(稼げる)はずです。

そのころは「頑張れば頑張るだけ稼げた」そうです。

 

今はどうかというと、数年で家は建ちません!これは本当です。

 

給料は同年代から比べると少し良い程度です。

 

それは、休日が一般企業以上に確保されたからでしょうか。

僕が働いてきたときは、1ヶ月に10日間の休日がありました。

1日の就業時間が残業を含めて約14時間でしたから、それくらいの休みがあって当然という気持ちはありました。

 

ですが、「運送業界」という大枠で考えてみると、そこまで休日は確保されていないのが現状です。

 

こちらのサイトで詳しく書かれています。

hataraquest.com

 

 

出勤してからの行動

朝7時30分にIDカードをスキャン(出勤)します。

 

そこからトラック(町で見かけるトラックです。)に積み込み作業です。

 

荷物は夜中のうちに到着するものもあるので、

夜勤者がある程度指示したとおりに積み込みしてくれています。

 

ですので、自分なりに配達ルートを考えたうえで残りの荷物を積み込みをします。

 

それと同時に、

 

車両の日常点検

出庫点呼

貴重品扱いの荷物を預かる

伝票(送り状)整理

クール便(冷蔵・冷凍)積み込み

 

を、行います。

 

同じスパンで積み込み作業をしているパートナーのドライバーもいますので、そちらの配達ルート(積み込み順番)も把握しなくてはなりません。

協力して積み込みを完了させ、出発するといった内容です。

 

なんでもない普通の日であれば、出発時間も早かったのですが、

 

12月や3月の繁忙期

大型連休前、

消費税増税前、

楽天スーパーセール

 

などのときは荷物の量が極端に増えるため、

以下の問題が発生します。 

 

荷物の到着が送れ

出発が送れ

配達が送れ

集荷が送れ

帰庫が送れ

帰宅が遅くなる

 

という悪循環。

 

そういうときに限って、未着(まだ配達されないという)の連絡が入るんです。

 

これは正直ツラいです。

 

物量多めでもどうしようも無い状況のなか、頑張って配達しているのにいつもの時間に来ないという連絡が入り、さらに焦ります。

 

これを読んでいる方は、上記の場合は多少おお目に見てくださいね。

 

日常業務について

荷物の積み込みを完了し営業所を出発、

配達エリアに到着したら早速配達スタートです。

 

本当はいけないことですが、移動中に伝票(送り状)の整理をします。

 

企業宛の荷物もあれば、時間指定の個人宅への荷物もあります。

それをうまく組んでいきますが、これはある程度の経験がないとうまく組めません。

 

最初のころは、これに時間が掛かってしまうことが多いです。

 

僕が普通の日に積んでいた荷物の量は、約200個でした。

なにも無ければ13時ころに配達完了です。

 

集荷の電話連絡が入ればそこへ行ったり、休憩ができます。

 

その後、午後到着の荷物をもらい配達と集荷。

完了後、帰庫して荷おろしとなります。

 

繁忙期となればいっきに物量が増えます。

 

営業所に荷物を積んだ大型トラックの到着が遅れるのです。

配達が遅れるということで、残念ながら置いてくる荷物も多数あります。

 

置いてきた荷物にかぎって、未着の連絡が入る場合も・・・

 

繁忙期は16時すぎても配達完了しませんでした。

それなのに、午後到着の荷物をもらってしまうという追い討ちが!

 

配達のメドがたたないので、集荷を優先的に終わらせ荷物を別車両にもって帰って

もらい、ひたすら配達します。

 

時間指定という魔のサービス

普通の日でも、繁忙期でも一番のネックは、

「時間指定」です。

 

もともとは、同業のヤマト運輸が配達効率向上のために始めたサービスですが、逆に今はそれが配達効率を低下させる原因になっています。

 

佐川急便でも同じ状況です。

 

これは宅配業者だけでなく、運送業界全体でも同じ問題を抱えていると感じます。

僕の今の会社の業務でも少なからず影響がありますので。

 

順序良く配達することが早く配達を完了させることとなのですが、いつくかの地域を担当していると、 あっちへ行ったりこっちへ行ったりと、思ったように配達ができません。

 

宅配の荷物が増えているので、振り回されっぱなしです。

 

希望時間に行って配達できればいいですが、行ってもいないとなると、もう唖然・・・

しかも、そこを離れてそんなに時間が経たないうちに不在連絡が入ることも。

 

時間指定をしたらできるだけその時間にいてくださいね。

また、出かける場合は連絡してあげてください。

 

なんらかの事情(荷物の遅れ等)で希望の時間に行けない場合もありますが。

 

 

運送業界や宅配業界が抱える大きな課題

ずばり 「人手不足」です。

 

長時間運転が日常茶飯事になり、その為に事故が頻発してきました。

数年前に長距離バスの事故が相次いで発生したのも、人手不足から招いたものです。

 

 人手不足=一人の仕事量の増加=労働環境悪化=過労業務=事故

 

月の残業時間が100時間以上は当たり前、休息時間8時間が取れないなど。

それに対して残業時間の圧縮、終業から始業までに最低8時間は空けるなどの取り組み

がなされました。

 

佐川急便のような大きな会社はいち早く導入をしていますが、

中小の運送会社はまだまだ徹底されていないのが現状です。

 

まだまだ労働時間が長い業界であり、

運転免許の制度変更に伴い、若者の希望者は減りつつあります。

 

高齢化も課題のひとつです。

 

最後に 

もしも、これから運転職を希望される方は気をつけてください。

 

中小企業になればなるほど、労働時間の管理はされていないことが多いです。

また、運転職は事故に遭うリスクが高い傾向にあります。

被害者になるケースもあれば、加害者になるケースもあります。

 

佐川急便は労働時間の管理、休日の確保、福利厚生が整っています。

なかなか大変な仕事ですが、安定している会社です。

 

でも、

事故には気をつけてください。

腰痛にも気をつけてください。

 

 

腰痛でお悩みの方はこちらをどうぞ。

 

今回もブログを読んでいただき、ありがとうございます。

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